ドラゴンクエスト3のHD-2D版とSFC版(スマホアプリ版)は、同じドラクエ3のリメイク版でも“遊んだときの感触”がかなり違う。
特に、見た目・戦闘テンポ・新要素・職業の扱いまで変わっているため、選ぶ基準を知らないままだと迷いやすい。
そこで今回は、実際に両方を並べてプレイしたうえで、違いがはっきり出やすい5つのポイントに絞って整理した。
どの要素が自分に合うかを想像しやすいよう、メリットと方向性の違いもまとめている。
この記事を読めば、HD-2D版とSFC版ドラクエ3リメイクの“今から選ぶ基準”が自然と掴めるはずだ。
※本文ではSFC=アプリ版(ほぼ同内容)として扱うが、アプリ版にはすごろく場が無く、モンスターもアニメーションしないことは注意してほしい。
ドラクエ3のHD-2D版とSFC版、どっちが自分に合うかチェック
HD-2D版がしっくりくるパターン
HD-2D版は、遊びやすさと新しい要素の存在感が強い仕上がり。
戦闘テンポ、探索の見やすさ、細かなUIまで整っているから、「快適さの積み上げ」がしっかり効いてくるタイプ。
さらに、バトルロードや世界の描写のアップデートなど、“昔ながらのRPGだけど、ちゃんと現代向けに整っている”感覚がある。
・グラフィックや操作性でストレスを感じたくない
・新要素が好き
・昔のドラクエ3を細部まで覚えていない
こういう人には、HD-2D版がフィットしやすいと思う。
HD-2D版 ドラゴンクエストIII そして伝説へ…- SwitchをチェックするSFC版(アプリ版)が落ち着くパターン
SFC版は、シンプルで無駄のないテンポと、当時のままの空気感が魅力。
すごろく場の存在や、素直な職業バランスなど、“SFC時代の基準で綺麗にまとまってる”感じが強い作りになっている。
・手軽に遊べる価格がいい
・すごろく場が外せない
・SFC版の雰囲気を大事にしたい
・ドットのあたたかさが好き
こんな人は、SFC版を選ぶと落ち着くと思う。
SFC版 ドラゴンクエスト3 そして伝説へをチェックするどっちでも楽しめる人
初めて触れる人や細部をすっかり忘れている人は、どちらを選んでも違和感なくドラクエ3を楽しめるはず。
初見ならHD-2D版の快適さがありがたいし、
ドラクエに懐かしさをうっすら持っている人なら、SFC版も普通にアリ。
ドラクエ3 HD-2D版とSFC版、5つのリメイクの違いを比較

HD-2D版は単に“綺麗で快適になった”のではなく、「ドラクエ3を令和に作り直した」という印象。新職業や追加ボス、難易度選択など、遊び方そのものに手が入っている。
一方SFC版は当時の完成形がそのまま遊べるので、昔のコマンドRPGを味わいたい人に向き。
以下の5点を軸に、具体的に違うところを見ていこう。
- グラフィック(“水彩画風”の世界)
HD-2D版は水彩風のタッチでフィールドや建物が立体的になり、街並みの“冒険感”が強化。
SFC版はドットの“アセット感”が残る古典的な見せ方だが、戦闘の迫力はこちらに軍配が上がる場面も。
- ゲームシステム(戦闘バランスと職業)
SFC版は敵の個性に応じた立ち回りが要求される完成されたバランス。
一方HD-2D版は範囲/特技で一掃しやすい傾向があり、新職業「まものつかい」の強力さがパーティ構成を歪めるかも。
- コンテンツ量(すごろく場 vs モンスターバトルロード)
SFC版で楽しめた「すごろく場」はHD-2D版で削除された。
代わりにフィールドで保護したモンスターを使う「モンスターバトルロード」が追加。
遊びの方向性が変わっている点は評価が分かれる点。
※ほぼ同内容のSwitchDL版や、スマホアプリ版ではすごろく場が削除されているので注意。
- キャラメイクの仕様
従来の「おとこ/おんな」から外見タイプA/Bへ変更(A:男性っぽい見た目/B:女性っぽい見た目)。
外見パターンやヘアカラーが増え、戦闘ボイスも選べるようになったため、キャラへの感情移入は増した。
- 価格差(約3,800円差)
HD-2D版の実売は2025年時点でおおむね5,000円前後。
SFC版ドラクエ3は中古で1,300円前後と、2025年現在プレミア価格は付いていない。
スマホアプリ版(SFC版とほぼ同内容)は1,220円(2021年時点の購入価格)。
約3,800円の価格差は無視できないだろう。
つまり、今回のリメイクの違いは「進化を取るか、昔の完成形を取るか」。
HD-2D版はグラフィックや快適さ、新要素で今風に遊びたい人向け。
SFC版はバランスと懐かしさ、コスパを重視する人に向く。
それぞれについて、詳しく見ていこう。
グラフィックの違い:HD-2D版の美しさ vs SFC版の戦闘迫力
画面を見た瞬間の“印象の違い”がいちばん大きかったのはここ。
HD-2D版はドットの温かさを残したまま、光の差し込みや水面の揺らぎまで丁寧。
建物の立体感も強くて、街を歩くだけで「今の技術で旅してる」感じがふっと出てくる。
ただ、戦闘になると評価が変わってくる。
HD-2D版はモンスターとの距離がかなり遠めに見えて、臨場感が少し薄い。
3D地形に2D敵を重ねる仕様の影響で“平面的に見える瞬間”もあった。
アニメーション自体は綺麗なんだけど、迫力との噛み合わせに課題は残る印象。
一方でSFC版は逆。
モンスターが画面前面でドンと構えるから、視覚的な圧が強い。
2Dキャラにアニメ的な動きを加えた“疑似3D”が想像以上に効いていて、
敵の強さがぱっと伝わってくる。
※スマホアプリ版はモンスターアニメが省かれてるから、その点だけ注意。
最後をまとめると、
HD-2D版は“旅を歩く気持ち”を大切にしていて、
SFC版は“敵と向き合うテンション”に寄った見せ方になっている。
HD-2D版の戦闘バランスが賛否両論な理由

HD-2D版は見た目をキレイにしただけの移植……と思いきや、
“戦い方そのもの”がSFC版と大きく変わっている。
- SFC版:昔ながらの完成度の高いバランス
- HD-2D版:豊富な範囲攻撃のパワーで一掃する、爽快感重視のバランス
HD-2D版は、システムを大きく変化させた代償に、賛否両論を生んだという感じだ。
難易度選択の追加
HD-2D版は戦闘難易度を3種類から選べる。
名前は「いばらの道」のようにふんわりしてるけれど、
- カジュアル
- ノーマル
- むずかしい
といった3段階から選べる。
(カジュアルは絶対に負けない設定なので実質2段階)
序盤は全体的にきつめ、終盤はプレイヤー側の火力で蹂躙ゲーになりがち。
最後まで緊張感を残したいなら、『むずかしい』設定がちょうどいい。
全滅ペナルティの変化
HD-2D版は、全滅してもその場で再戦できる。
便利だけど、昔ながらの「教会に戻ってゴールド半減」派には物足りないかもしれない。
一応、昔ながらの処理も選べるけれどメリットはゼロ。
その為、完全に“縛りプレイ向けの選択肢”として残ってる。
補助呪文の仕様変更
SFC版で戦況を一撃で動かした「ルカニ/スクルト」。
HD-2D版では、敵味方の防御力を“少し上下させる”タイプに変更されている。
大事ではあるけれど、
“1ターンで戦況が激変する”性能ではなくなった。
※SFC版のルカニは、一発で敵の防御力を0にする強力なものだった。
敵にスクルトが掛かると、物理攻撃が1ダメージしか通らないのもお約束。
特技が大幅に追加
戦士や武闘家にも範囲攻撃や大技が追加され、
物理だけで柔軟に戦えるようになった。
その分、呪文職の役割は
- 回復
- 補助
のほうが比重が大きくなり、
SFC版のように「範囲攻撃の主砲」ではなくなってしまった。
HD-2D版で職業バランスそのものが大きく変わっているポイントの一つだ。
新職業「まものつかい」が強すぎる
HD-2D版最大の変化点。
新職業の「まものつかい」が強すぎて、好みが分かれる。
- ランダム4回攻撃の特技がボスに強すぎる
- “2回行動化”の特技もヤバイ
- 序盤から回復特技を覚える
しかも、まものつかいはモンスターを保護するほど特技の威力が上がるから、後半でもどんどん火力が伸びていく。
結果、
“まものつかい1人で全部押し切れる構成”になりやすい。
さらに、寄り道コンテンツのモンスターバトルロードも
まものつかい前提で設計されていて、
この特徴がパーティバランス全体を歪ませてしまう。
SFC版が“全職業で役割を分担する”造りだったので、
ここは一番評価が割れそうなポイント。
ボス追加で遊びの幅が広がった
HD-2D版には新規ボスが数体追加。
急に出てくるので、唐突感はあるけど、
「倒すべき目標が増える」こと自体は前向きな変化。
SFC版ではダンジョン踏破が中心だったから、
ここはHD-2Dならではの遊び方で、単純に嬉しいポイントの一つ。
最後のまとめ
- 完成された職業バランスが光るSFC版
- 戦い方そのものに変化を加えたHD-2D版
“新しいドラクエ3”の手触りを楽しみたいならHD-2D版、
“戦略的なコマンドバトルのドラクエ3”ならSFC版のほうがしっくり来ると思う。
追加コンテンツの違い:すごろく場とモンスターバトルロード
次は、遊びのボリュームの話。
大きな違いは以下の2点。
SFC版には「すごろく場」がある。
HD-2D版には「モンスターバトルロード」がある。
性格診断は両バージョンに健在
オープニングの謎の声による性格診断は、SFC版・HD-2D版どちらにも残されている。
SFC版のみの”すごろく場”
SFC版で人気だった「すごろく場」は、HD-2D版では収録されていない。
アプリ版でのカットから予想できたとはいえ、期待していた人が多かっただけに残念だ。
HD-2D版だけの新要素:モンスターバトルロード
その代わりに追加されたのが「モンスターバトルロード」。
フィールドで保護したモンスターを並べ、
拾った仲間だけでパーティを組んで、闘技場に挑むコンテンツだ。
ドラクエモンスターズの様に、育成・配合といった深掘りはなく、
基本は“相性の良い組み合わせで勝ち抜きを目指す”タイプのゲーム。
(同じモンスターを集めるほど強くなる仕組みはある)
ハマる人はハマるし、
「もっと育成したかった」と感じる人もいて、評価は割れやすい。
すごろく場はアプリ版からはカットされているので、HD-2D版はアプリ版と比べるなら単純にバトルロードの分、コンテンツが増えたと言えなくもない。
どうしてもすごろく場を遊びたい人は、SFC版ドラクエ3を探してみよう。
キャラメイクの自由度:外見タイプとボイス選択
HD-2D版は、キャラ作成の仕組みがかなり変わっている。
「おとこ/おんな」から、“外見タイプA/B”を選ぶ方式に変化。
Aは男性寄り・Bは女性寄りの外見になっていて、
性別限定装備の仕様もここに紐づいている。
性別ではなく外見タイプで決まる装備制限
従来は「性別」で分かれていた装備条件が、
HD-2D版では“外見タイプ”に切り替わっている。
たとえば、SFCで女性専用だった「マジカルスカート」などは
外見タイプBでないと装備できない。
タイプAを選ぶと、それらの専用装備はつけられない。
外見バリエーションとボイスで“キャラが生まれる”
HD-2D版では、外見の自由度が一気に広がった。
SFC版だと固定だった外見(例:女武闘家の黒髪お団子)も、
髪色・髪型・全体の雰囲気まで細かく変えられる。
さらに戦闘の掛け声まで選べるようになり、
「声込みでその子らしさが出る」感じが強くなった。
もちろん、昔ながらの外見+ボイスなしという選び方もできるから、
自分のプレイスタイルに合わせて幅広く遊べる。
視覚と音の両方でキャラクターの“らしさ”が作れるようになった分、
SFC版より感情移入のしやすさは確実に上がっている印象。
HD-2D版ドラクエ3リメイクの実際の感想

HD-2D版でまず安心したのは、あの“性格診断”がしっかり残っていたこと。
ドラクエ3の始まり方といえば、やっぱりここが外せない。
アリアハンの街並みは、最初の一歩で「綺麗…!」と素直に声が出る仕上がり。
光の差し込み方や奥行きの演出が心地よくて、HD-2Dの魅力を一番最初に味わえる瞬間だった。
キャラメイクも進化していて、外見もボイスも選べる幅が大きく広がった。
作った仲間への愛着は、昔よりずっと強い。
反面、戦闘は距離感の“遠さ”が少し気になる。
大型モンスターが前に出てこないぶん、緊張感はやわらぎがち。
さらに全体攻撃で一気に片付く場面が多く、
「キャタピラーにはヒャド」のような細かな読み合いは影を潜めた印象。
その代わり、ボスは意外なところで急に姿を見せるようになった。
眠らせてきたり、予想外の攻撃をしてきたりと、
雑魚戦との差がはっきりしている。
“普段は軽く流しつつ、ボスではしっかり考える”というメリハリを意識した作りに感じた。
HD-2D版のドラクエ3は、あちこちに新しさがありながら、芯の部分に懐かしさが残っている作品だった。
遊びやすさを優先したぶん“軽さ”を感じる場面もあるけれど、世界を歩くときの心地よさや物語の入り込みやすさは確かに進んでいる。
昔を覚えている人にも、初めて触れる人にも、それぞれ違う良さが届く仕上がりだったと思う。
HD-2D版とSFC版、遊ぶスタイルに合わせて選べば後悔しない

HD-2D版は現代的な快適さと新要素が魅力で、SFC(アプリ)版は当時の完成度と価格の手軽さが光る。
どっちを選んでも「ドラクエ3」の冒険はちゃんと待ってるから、予算と気分で決めちゃっていいと思う。
綺麗な世界を歩きたいならHD-2D版、スマホで廉価で気軽に遊びたいならアプリ版。スーパーファミコンを遊べる環境を持っていて、すごろく場をやりたいならSFC版。
自分の遊びたいスタイルに合わせて選ぶと後悔しないはず。
HD-2D版 ドラゴンクエストIII そして伝説へ…- Switchをチェックする
